アナタしか欲しくない
『だったらしょうがない。連れて帰っていいよ。
ミイ、良かったね。大事にしてもらうんだよ』





マイ姉の言葉が、タカちゃんの言葉は幻聴なんかじゃないって教えてくれる。





でも期待してもし、また期待とは違う意味だったらミイ、絶対立ち直れない。




「タカちゃん、今のどういう意味?
ミイは、妹みたいに大切ってこと?」





『違うよ。とりあえず出よう。ここじゃゆっくり話せない』





はっきりとした答えはないまま肩を抱かれたままお店を出た。




外を吹く風の強さも、肩を抱いてくれるタカちゃんのお陰で、寒く感じなかった。




タクシーに乗って静かな状況でもタカちゃんは黙ったままだった。




タカちゃんの家の前に着いて、タクシーが走り去ると同時に、タカちゃんがようやく口を開く。





『さっきの男に何されて泣いてたの?』




「別に何も。ミイが勝手に泣いてただけ」




タカちゃんに申し訳なくって、泣いてただけ。





『泣いてたのは、俺のせい?』




立ち止まり、肩を抱いたまま覗き込むタカちゃんの顔は、心配そうな顔をしていた。




「タカちゃんのせいじゃない。ミイが、子供なのがわかって、タカちゃんに申し訳なくって泣いちゃったの」




『申し訳ない?』




首を傾げるタカちゃんにひとつ頷いた。



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