レクイエム
「私も初めからこんなに魔法を使えたわけではないです。言ってみればクー姉様はまだ蕾の状態なのです」

「そうなの?」

「はい。クー姉様は…清らかな水の気配を感じます」

「水?」

「はい。誰かに守られているような……身に覚えありませんか?」


水…。
水に守られている。
クーラは何か心当たりがないか思案する。
しばらくしてハッと息を呑んだ。まるで喉につっかえた小骨が取れるような感覚。


──あった。

自分が水の加護を受けたと思われるのはあの時しかない。


リヴァーズを抜けた日。アジトから出る間際に、水竜──リーヴァと別れの挨拶を交わした。
その時に確かに彼女は言った、水の加護を与えると。


「…水竜の加護……」


クーラの呟きで、セフィアはなるほど、と頷いた。話には聞いた事がある。
アジトの洞窟には水竜が住まい、そのおかげで洞窟の水は海水ではなく純水になっていると。
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