レクイエム
待ち合わせ場所の港に現れたナキを見て第一声。
「お頭…その荷物どうしたんですかい」
「…何でもないよ」
両手いっぱいに粗品をもらったナキが持ちきれずにポロポロと落とす様を見て、露店の店主が善意で麻袋をくれたのだが…
某国に存在すると言われている"サンタクロース"とやらの特徴そのままであった。
大した事をしたわけでもないのにあんなに英雄扱いをされ複雑な気持ちだ。
「お頭の事だからまた何か首突っ込んだでしょうけど」
「どういう意味よそれ…」
クレンスの一言が気に食わなかったらしくムッと眉を寄せる。
──刹那。
「!?」
ナキが何かに呼ばれたかのように勢いよく街の方に振り返る。息を殺して食い入るようにある一点を見つめている。
変に思ったクレンスも街の方を振り返ってみたが何も見えない。
「お頭、どうかしたんですかい」
「…聴こえないの?」
ナキが驚いたように一度クレンスを見た。
耳を澄ましてみても聞こえてくるのは波音だけだ。
「獣が悲鳴を上げるような…何だろう…。ちょっと見てくる、待ってて!」
「お頭!?」
「お頭…その荷物どうしたんですかい」
「…何でもないよ」
両手いっぱいに粗品をもらったナキが持ちきれずにポロポロと落とす様を見て、露店の店主が善意で麻袋をくれたのだが…
某国に存在すると言われている"サンタクロース"とやらの特徴そのままであった。
大した事をしたわけでもないのにあんなに英雄扱いをされ複雑な気持ちだ。
「お頭の事だからまた何か首突っ込んだでしょうけど」
「どういう意味よそれ…」
クレンスの一言が気に食わなかったらしくムッと眉を寄せる。
──刹那。
「!?」
ナキが何かに呼ばれたかのように勢いよく街の方に振り返る。息を殺して食い入るようにある一点を見つめている。
変に思ったクレンスも街の方を振り返ってみたが何も見えない。
「お頭、どうかしたんですかい」
「…聴こえないの?」
ナキが驚いたように一度クレンスを見た。
耳を澄ましてみても聞こえてくるのは波音だけだ。
「獣が悲鳴を上げるような…何だろう…。ちょっと見てくる、待ってて!」
「お頭!?」