レクイエム
「全く失礼な奴だ」


ルームサービスで運ばれた昼食。
採れたての魚介類をふんだんに使ったパスタと、エビピラフやパンがテーブルに並べられている。
フォークを咥えたまま、ナキが気まずそうに窓の外に視線を逸らした。


「いやしょうがないじゃん、だって…ねぇ？」

「何がねぇ？だ！」


バン！とテーブルを叩きつけ乱暴な音を立てる。
修羅場には慣れてるナキはそれくらいでは全くビクリともしないどころか、片眉を吊り上げた。


「ご飯食べてる時くらいは機嫌よくニコニコして食べなさいよ！食べ辛いでしょうが！」


負けじと言い返された内容にアレスはさらに呆れた表情を浮かべる。


「お前そのパスタ３杯目だろ！何が食べづらいだてめぇ！」


思わず手近にあったパンを投げつけてしまうが、それを口で受け止めてしまった。何事もなかったかのようにそのままパンを咀嚼して嚥下するナキに、怒る気力も失せてしまう。
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