レクイエム
ナキもそんな不器用なジレナフの優しさを理解している。
心配して迎えに来てくれた仲間達を、巻き込むわけにはいかないんだ。

別れなければならないのが辛い。
別れを告げなければならない。


だんだんと鼓動が早くなっていくのが自分でも分かる。喉までカラカラになってきている。


「…馬鹿馬鹿しいわ」


絞り出すように、何とか掠れない程度に声が出た。
皆何のことを言っているのかと、不審気にナキを見詰める。


「海賊なんて馬鹿らしいって言ってんのよ」


こんなの、嘘だ。
口々に話し合い始める部下達の顔を見るのが怖い。その中でジレナフだけは、腕を組んだままこちらを見るばかりだ。

瞬間、仲間の1人がナキの胸倉を掴み上げた。


「馬鹿馬鹿しいってどういう事だよお頭ァ!」


皆で築き上げて来た物を否定され、彼の顔が悲痛に歪んでいる。今まさに自分が期待を裏切る行為をしている事に、胸が張り裂けそうだ。
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