真実の鏡
ガタガタ、ブルブル震えるクラスメート達を横目に、カルマは例の踊り場へ来た。

しかし壁には何も映っていない。

「ふむ…」

カルマは恐れず、壁をペタペタ触った。

「わ~! カルマ!」

「呪われるわよ! 【死神】に!」

「はいはい」

適当に返事をしながら、素手で壁を触っていく。

ザラザラした手触り、ただの壁だ。

叩くと、コンコンッと音がするだけ。

やがてカルマは気が済んだのか、壁から背を向けた。

「今は何も無いようですし、もう戻りましょうか。時間が無くなっています」

「あっああ…」

「そうねっ…」

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