真実の鏡
再びカルマを先頭にして、クラスメート達は動き出す。

ところが最後尾の女子生徒が、ふと壁に視線を向けた時…。

「きっきゃあああ!」

悲鳴を上げて、その場に崩れ落ちた。

「どっどうした?」

「大丈夫?」

慌てて戻って来たクラスメート達に抱きつきながら、女子生徒は真っ青な顔で、震える指先で壁をさした。

「【死神】がっ、【死神】の横顔が見えたの!」

その言葉を聞いて、カルマを含めるクラスメート達は壁を見た。

だが…陽の光が当たっているだけで、壁には何も映っていなかった。

「そっそんなっ…!」

女子生徒は泣き出してしまった。

騒ぎ出す生徒達の中、カルマだけは静かに壁を見つめていた。
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