代償としての私の特殊な能力
病室のドアが開く音がした。
(美沙子さん?)
そう思った瞬間、映像が飛び込んできた。
一瞬、美香のお父さんが戻ってきたのかと思ったけど、そうじゃない。
一言で言えば、主人公が美沙子さんに変わっていた。
美沙子さんはそのエネルギッシュな性格からか、目が回りそうな程に視線が移動していく。
ああ、この人はこんな風に細かく目配せしていたんだと変に納得した。
美香のお父さんに比べると主人公の映像はかなり暗かった。
それでも、本が読めるほどの明るさはあった。
(美沙子さんに、このことを話したらどう思うだろう)
私は決めかねていた。
問題は美沙子さんがこのことを信じる信じないじゃなくて、美沙子さんが私を奇異に思うかどうかだった。
それでもやっぱり言おうと思ったとき、再びドアの開く音がした。