戀々 -ren ren-



「これでよし!」


バタンッと勢いよく車のトランクをしめた。



「忘れもんないか?」


「たぶんね。
あったら送ってよ!」


「やなこった!取りに来いや」



腕を組み、ニカッと笑う相川くんはやはりイケメンだ。

ムカつくくらいに!



「相川くんってやっぱりイケメンだね」


「何言うてんねん!気持ち悪い!」


相川くんは照れ隠しなのかプイッと横をむいた。



「…いろいろとありがとう」


「言うほど何もしてへんぞ」





「……元気で!」


そんなことない!と言うと堂々巡りの会話が続いてしまうと思い、代わりに右手を差し出した。

相川くも同じ様に右手を差し出し、俺達は握手を交わした。


「ま、2ヶ月後に安達の結婚式で会うけどな」



「そうでした!」



2人でハハハ!と声をあげて笑った。


.
< 101 / 112 >

この作品をシェア

pagetop