戀々 -ren ren-
相川くんと別れ、独身寮の駐車場を出た。
実はさっき寮を出た時に、隣のマンションの前で里緒に似た人を見た気がした。
が、すぐに自分の愚かな考えを改めた。
車を走らせて10メートルで彼女の面影を探してしまうなんて……先が思いやられるぞ。
しっかりしろー!俺!
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「ほんまに良かったんか?
会わなくて…」
「…先が思いやられますよね!
会わないって決めたそばからこんなんじゃ……」
「まぁ……。
手紙はちゃんと渡したからな」
「…ありがとうございます!」
「いい笑顔や。
どや?青柳もいなくなったことやし次は俺と恋愛するか?」
「来世で青柳さんと出会わなかったら、ちょこーっとだけ考えてあげてもいいですよ!」
「相変わらずあいつ以外には厳しいなぁ、里緒ちゃんは!」
「魔法にかかってますから!」
「魔法?」
「そう!魔法です!」
にこっと笑いながらも彼女の顔は憂いに満ちている。
彼がかけた魔法はそう簡単には解けないらしい。
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