かんけりっ!



肌が、粟立つ。


「本気で行く」と言った桃東先輩の威圧で。


いや、桃東先輩だけの威圧じゃない。


無表情に、無害を装うフランシア先輩も。


余裕を染み込ませた薄い笑みを湛えるハレルヤ先輩も。


揃って、僕に。いや『鬼』を無言で威圧する。


……おもしろい。


やれるものなら、やってみろ。


僕だってあのバカ姉に鍛えられたんだ。


一年以上のブランクはあるだろうけど、それでも簡単に負けてやるつもりはない。


それに相手は先輩と言ったって女子。


体力で遅れは取らないだろう。


「フフ、不敵に笑って見せるね。私達を、退屈させないでね」


そう言って桃東先輩は僕に缶を放った。


桃の赤いラベルが印象的な不二家ネクターの缶。


中身は入っている。


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