夜  話  
「美しさなどっ!」


激しく。


女は吐き捨てる様に言う。


「全てあの方に捧げるためのものでしかない。

わたしが美しいというのなら、その美しさを享受できるのは、あの方だけだ。

わたしがまとう衣裳が麗しいのならば、その姿を愛でるのは、あの方だけだ。

他の誰に愛しく思われようと、あの方に振り向いてもらえなければ何の意味もないっ!

わたしには、あの方しかいないのだ………っ!」


たおやかな、その姿に似合わぬ激しさで、女は激白する。


その全身から発する想いの強さに、俺は圧倒された。
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