夜  話  
「リョウキっっっ!」


拘束されたまま。


声の主を求めて暴れだすカリョウの前に、大神様が差し出したのは。


小さな。


とても小さな水晶玉のようなものだった。


「触れてはならぬ。」


厳かに言い放つと、大神様はその玉をカリョウの前へとそっと置いた。


「カリョウの大バカ野郎っ!
大神様に、なんて事言うんだよっ!」


小さな水晶玉の中から、昔のままの声がカリョウを叱る。


「涼姫だよ。
カリョウ。
雪と氷を統べる女神だ。」


大神様はそう言ってカリョウを見た。


「お前の為に。
涼姫はこのような姿になってしまったのだ。」
< 229 / 414 >

この作品をシェア

pagetop