夜  話  
「白いクレヨンで空を?」


いぶかしげに問う皎にわたしは笑って見せながら、描きかけの絵を手渡しました。


そこには月の光に照らされた街と、風景。そして夜空にたなびく雲が半分ほど描いてありました。


「綺麗だな。」


ぼそり、と皎が誉めてくれます。


「でも、どうして白いクレヨンなんだ?」


少し不思議そうに首を傾げ、絵を返してくれながら皎は尋ねます。


それは、たしかに疑問かもしれません。


「今日の空を見ているとね、むかし白いクレヨンの気持ちを考えて、悲しくなった事を思い出したの。」
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