my catty girl~もし私がネコになっても~
「そ、そんなわけ無いじゃん!熱であれしてるんじゃないの??」
「何?あれ、って」
…
「んー、まぁ冗談、だよ?」
そ、そう…
「でもさぁ」
「うん?」
「泣いたり頷いたり…ネコってあんなに意志疎通できるもんなんだなー」
ああああーっ。。。
「そ、そんなネコだったんだぁ~珍しいねぇ…」
「…春乃」
「な、なに?」
「好きだからな」
「…」
改めて言われると恥ずかしいな…でも。
「うん…私も、大好きだよ…っ」
涙が溢れてくるのは当然のこと。
笑顔で泣けるのは、とっても幸せなことだと知っても、いずれまた忘れてしまう。
忘れないようにしていても。
だけど、また何かすれ違う事が起きたとしても、ネコとして生きた、この短い時間を思い出していたい。
泣き止むと彼は笑いながら言った。
「顔、洗ってくる?」
洗面台の鏡に映る自分。
もう、ネコじゃない。
ただ
ただ、ひとつ
私の髪には
私がネコの時に、彼からもらったあのリボンが結ってあった―。