アタシの弟。



「………まぁ!
なんて綺麗なお方でしょう…」

「…は?」



隣であからさまに嫌そうな顔してる瑠唯。


“なんて綺麗なお方”………。


瑠唯のこと…だよね?


この部屋にはまだあたしと瑠唯と眞田さんしかいないはず。


…一体、誰が………?



「こんな愛らしい方………、
今まで見たことがない…」

「…はいぃ?」



あ…“愛らしい方”って………


まさか、あたし!?


…んなわけないか………。


今のは確実に男の人の声だった。


さっきの女の人と今の男の人…


一体、どこに?



「やぁ、雅ちゃん、瑠唯くん。
遅れてすまなかったね」



後ろから黒瀬さんの声がして、振り向いた。



「いえ…」



よく見れば…、黒瀬さんの両サイドには女の子と男の子が。


…誰?



「…あぁ、私の娘と息子。
娘の杏樹(アンジュ)は雅ちゃんたちと同い年だよ」

「…同い年………」



その杏樹さんは如何にも、お嬢様って感じ。


純真無垢な世間知らずみたいな…


箱入り娘みたい。



「はじめまして。
黒瀬杏樹と申します」



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