アタシの弟。
「…そうなんですか?」
「うん。
友情の証みたいなもんなの。
だから、あたしも杏樹って呼んでいい?」
「はい!
全然構いませんよ♪」
「ありがと。
あっ、あと敬語も禁止。
友達は普通に何でも話せる存在なんだから」
「そうなんですね。
分かりました。
敬語はやめますね」
「うん!」
いい子だ、いい子♪
入学当初、初めて椿ちゃんに会った時に同じこと言ったら、『私はこの方が慣れてますから』ってきっぱりはね除けられた。
やっぱり、家柄かな。
椿ちゃんちは日本の古くからの豪家だからね。
ここは、ヨーロッパ風の建物だし融通が利きそう。
「よかったね、杏樹」
「ええ!
お父様、本当にありがとうございますわ。
こんな雅のような素晴らしい方を紹介してくださって」
「お礼なら、私じゃなくて雅ちゃんに言いなさい」
「雅、ほんとにありがとう!」
「ほ…ほんとに大丈夫だから………」
そうそう何度もお礼言われても………
あたし、そんな大したことしてないのに。
「…あ、こっちも紹介するよ。
息子の雅也」