アタシの弟。



「…結局暇だし。
もう学校入ってていいんじゃねぇの?」



瑠唯が退屈そうに、ふてくされた顔をしながら言った。


…まだ照れてんのね。


こういう時は可愛いんだから。


弟らしくて…ね。


「入る分には構わないと思うけど…
たぶんお客さんまだきてないよ?」



そうなんだよね。


たぶんきてないのよ。


見る分には学校もやけに静かだし、見慣れない高級車なんかも停まってないし。


待ち合わせ時間ギリギリに到着すると思うんだよね。


しかも、お偉いさんらしいし。



「別にまだきてなくても学校にとりあえず入っててもいいだろ」

「それも…そうだね。
とりあえず、学校に入っとこうか」



あたしも瑠唯の提案に賛成して2人で再び歩き出した。



━━━…キキキーッ!



車のブレーキを踏む音がして、あたしと瑠唯が振り返った。


綺麗な車…


黒塗りで光沢のあるその車は、学校の前に停まった。


………いかにも“これぞ高級車!”って感じ。


…んん?


なにやら中から人が降りてきた。


20代後半ぐらいに見える男の人だ。



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