アタシの弟。



優姫(ユキ)…


お母さんの名前だ。


ちょうどお母さんが亡くなった頃…


まだ2歳だったあたしでも、いつも夜中に目が覚めてなかなか寝られないでいた。


…そして………


お父さんがお母さんの写真を見て、毎晩すすり泣いている姿も見てた。



“優姫………優姫……………”



笑顔のお母さんの写真を見ながら、そう呟いていた。


その時のお父さんの背中がやけに小さく見えて…


幼いながらに、お父さんがかわいそうでたまらなくなったことも覚えてる。


今は瑠唯のお母さんと結婚して家族4人で暮らしてるわけだから。


お父さんもあたしの実のお母さんの話は口にしない。


幼なじみだったなんて…


今初めて知った。


…お父さん………、


今でもお母さんのお仏壇を自分の書斎に置いてる。


朝起きた時と夜寝る前、必ずお父さんがお仏壇に手を合わせているのも知ってる。


あたしも時々、お母さんに近況を話したりする。


返事は返ってこないけど…


報告だけでも、と思って手を合わせる。


…ちなみに、家族であたしが瑠唯のことを好きなのを知ってるのはお母さんだけ。



< 83 / 108 >

この作品をシェア

pagetop