アタシの弟。



「いやいや、瑠唯くんは今時よくできた子だよ。
私の方こそ申し訳なかったね」

「とんでもない!
黒瀬さんがせっかく持ってきてくださったお話を無駄にしてしまって…
こちらこそ、申し訳ありませんでした」



あたしはまた頭を下げた。


ほんと………


黒瀬さんっていい人だ。


エロ親父なんて思ってたあたしが恥ずかしい。


こんないい人、なかなかいないよ。



「…着いたようだね」

「えっ?」



窓の外を見て、黒瀬さんが呟いた。


それにつられて、あたしも窓の外を見た。



「…すごい………!」



視線の先に広がっていたのは…


大きな大きなお屋敷だった。


…ほんとにあるんだ………。


おとぎ話の中に迷い込んだような、メルヘンなお屋敷。


すっごくカワイイ!


小さい頃、よくおとぎ話のお姫様みたいにこんなお屋敷で大好きな王子様と暮らすのとか憧れてたなぁ…。


あたしがこのお屋敷に見とれてるってことは今もそんな願望があるみたいだけど。


王子様はもちろん、瑠唯♪


…なんて言ったら、瑠唯の取り巻きに殺されちゃうな。



< 93 / 108 >

この作品をシェア

pagetop