倉庫の王様
うちの学祭は教師もなにかしなきゃいけないってのが難点…。



去年は教頭が張り切って歌ってくれたけど、不評だったから今年は他にやらなきゃダメらしい。



「宮先生、飲みに行きません?」

「申し訳ないけど俺飲めないんで」

「えぇ!?見た目は強そうなのに!!」

「佐藤先生、松田先生なら強いらしいですよ?」

「あたしは宮先生と飲みたかったんです~…」



今年から来た佐藤先生。



1年の副担任で、英語教師。



いつもは静かなのに仕事が終わるとやたら楽しそうにする人。



「宮先生!!まだいますか!?」

「なんスか~…」

「先生のクラスの玉手がケンカで補導されました」

「はぁ!?マジスか!!」

「ご両親と連絡が取れないので警察署にお願いします」



最悪だ…。



こんな忙しい時によくも…。



「俺も行くよ」

「車出すから乗って」

「玉手ねぇ~、あの一匹狼君か」

「よく見てんだな、トーヤのくせに…」

「まぁね~」



でもこれで佐藤先生からの誘いは流せた。



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