なんでも屋 神…第一幕
その後、街でも頻繁に会うようになって、[cross]の十三番目の男となった。



[cross]に入ってからまた真面目に空手を習い始めたが、俺達の仲間になったんだから更生したという訳では…無いよな。



「誰かと思ったらお前かよ。話しには聞いてたけど、随分儲かってんだな…。」



奏が運転していたのは、パールホワイトのキャデラックエスカレード。しかも最上級グレードのESV。



帰国後に電話した時は、[cross]時代の人脈を使い、クラブ等でパーティのプロデュースをしていると言っていた。



「まぁそれなりにな。神は相変わらずマジェスティか?あれは神が居なくなってから、松が小忠実(こまめ)にメンテナンスしてたんだぞ。」



…へぇ〜初めて聞いた。そう言えば、帰ってきて乗った時も全く問題無く動いてたな…後で松に感謝の電話でもしておくか。



「丁度良かった。風林飯店迄乗せてってくれ。」



奏の快諾に気を良くし、車道側に回り込んで重いドアを開いた。
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