なんでも屋 神…第一幕

「一葉…どっか行け。じゃなきゃ俺が消える。」



次第に涙が溢れてくる、一葉の大きな瞳を見るのが辛い。



「…は？…何で？そんなに私の事嫌い？」



雨でもないのに、一葉の悲恋の雫がアスファルトを濡らす。



「分かった…俺が消える。じゃあな一葉。」



Ｊの方を見ると、タクシーから降りた男が此方に向かって歩いてくる。



その男と目で合図していると、いきなり胸ぐらを誰かに掴まれて、身体を前方に引っ張られた。



「お前本当にどうかしたんじゃねーの？そんな事言う奴じゃ無かっただろーが！」



一葉と俺の会話を聞いていたヒロが目尻を吊り上げ、額と額が付いてしまう程の距離で怒鳴ってくる。