なんでも屋 神…第一幕
「[神堂組]があのブツを取り返したのを知ってるか?明日その場所に立ち会う事になった。俺一人じゃ心許無いから、お前の兵隊を貸して欲しいんだ。」



口に銜えたタバコに火を付けて、白い壁に煙を吹きかけた。



「そうだったんですか、そう言う事なら分かりました。明日は神さんのボディーガードを[黒龍]が引き受けます。」



小龍との電話を終え、寝酒にお袋のグレン・マレイを二杯飲んで布団に入った。




携帯に設定していた午後一時に目が覚め、シャワーを浴びてから[安田病院]に顔を出した。



「よ、二人共目が覚めたか。」



部屋に入る前から廊下に響いていた笑い声。ヒロも奏も意識を取り戻していた。



「おぉ神、聞いてくれよ。ヒロの奴ウチの看護師スカウトしようとしやがってよ。」



コルセットで固定されている為、横目で左に並んで寝ているヒロを指す奏。
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