なんでも屋 神…第一幕
「まるで見ていたかのように仰るんですね神さん。何か証拠は有りますか?無いですよね?有らぬ疑いをかけられた心の傷は深いですよ。」
小龍は絶えず嘲笑を浮かべ、勝ち誇った表情で目を細める。その冷ややかな顔から目を離さず、スーツの内ポケットから携帯を取りだしてベレッタの横に並べる。
「俺も嘘だと信じたかったよ…でもこれが証拠だ。この手前に写っているのは、そこに居る財津の付き人、そしてその奥で妖しく佇んでいるのは、お前の横に居る陳だろう。何故松を殺した?そこまでする必要は無かっただろう?」
[白桜]で撮った画像を見つめ、強ばっていく小龍の表情。苦々しく下唇を噛み、血の混じった唾を陳の顔に吐き捨てた…そこにはもう、昔一緒になって騒いでいた頃の愛くるしい面影は無く、俺はそれが何より悲しかった…。
「神さん、この国のヤクザをどう思いますか?人を一人消すのにも警察の目を気にしている。おまけに暴対法で雁字搦め…そんな腰抜けが何時までものさばっているのが不可思議というもの。我々黒龍の力をこの街のヤクザに見せつけるには、神さん同様[三谷組]に恨みを買っている松さんが最適だった訳です。」
側近の陳ですら知らなかった小龍の本音…聞いていて胸が痛い。
一組織のボスとして威厳を気にして肩肘を張る生活…若い小龍には酷な話し。
小龍は絶えず嘲笑を浮かべ、勝ち誇った表情で目を細める。その冷ややかな顔から目を離さず、スーツの内ポケットから携帯を取りだしてベレッタの横に並べる。
「俺も嘘だと信じたかったよ…でもこれが証拠だ。この手前に写っているのは、そこに居る財津の付き人、そしてその奥で妖しく佇んでいるのは、お前の横に居る陳だろう。何故松を殺した?そこまでする必要は無かっただろう?」
[白桜]で撮った画像を見つめ、強ばっていく小龍の表情。苦々しく下唇を噛み、血の混じった唾を陳の顔に吐き捨てた…そこにはもう、昔一緒になって騒いでいた頃の愛くるしい面影は無く、俺はそれが何より悲しかった…。
「神さん、この国のヤクザをどう思いますか?人を一人消すのにも警察の目を気にしている。おまけに暴対法で雁字搦め…そんな腰抜けが何時までものさばっているのが不可思議というもの。我々黒龍の力をこの街のヤクザに見せつけるには、神さん同様[三谷組]に恨みを買っている松さんが最適だった訳です。」
側近の陳ですら知らなかった小龍の本音…聞いていて胸が痛い。
一組織のボスとして威厳を気にして肩肘を張る生活…若い小龍には酷な話し。