なんでも屋 神…第一幕
老龍の息子と言う意地と誇り。越える事の出来なかった大龍への憧れと焦燥。その震える両肩に全てを背負い込み、自分で自分を追い込んだ小龍。
その計り知れないジレンマの膨張により、小龍と言う名を授けられた一人の人間が壊れた…。
「俺は松の件が片付けば、400キロのブツがどうなろうと知ったこっちゃ無い。もっと言えば、無くなれば良いとすら思う。それでも引く事が出来なかった理由が俺にもある。[住谷組]の生き残りはお前だろう?」
財津の右後ろ、[白桜]に付いてきた付き人の更に後ろ。先程銃を取り出すのに一際時間がかかっていた、茶色い短髪の男。
その場に力無くしゃがみ込み、虚ろな瞳で虚空を見つめる小龍…楽しかった幼少期を思い出しているかのように、その表情は得も言われぬ程の恍惚だった…。
ベレッタの照準を小龍からその男に定め、周りの状況を確認しながら歩き出した。
ガンブルーにコーティングされた銃身が、天井に設置されている、所々割れてた蛍光灯の薄暗い光を妖しく跳ね返す。
[神堂組]と[三谷組]の丁度中央で立ち止まり、銃身でその男を手招きする。
その計り知れないジレンマの膨張により、小龍と言う名を授けられた一人の人間が壊れた…。
「俺は松の件が片付けば、400キロのブツがどうなろうと知ったこっちゃ無い。もっと言えば、無くなれば良いとすら思う。それでも引く事が出来なかった理由が俺にもある。[住谷組]の生き残りはお前だろう?」
財津の右後ろ、[白桜]に付いてきた付き人の更に後ろ。先程銃を取り出すのに一際時間がかかっていた、茶色い短髪の男。
その場に力無くしゃがみ込み、虚ろな瞳で虚空を見つめる小龍…楽しかった幼少期を思い出しているかのように、その表情は得も言われぬ程の恍惚だった…。
ベレッタの照準を小龍からその男に定め、周りの状況を確認しながら歩き出した。
ガンブルーにコーティングされた銃身が、天井に設置されている、所々割れてた蛍光灯の薄暗い光を妖しく跳ね返す。
[神堂組]と[三谷組]の丁度中央で立ち止まり、銃身でその男を手招きする。