なんでも屋 神…第一幕

当時、俺の元にそんな奴は山程来た。顔を覚えていなかったくらいで恨まれては、たまったもんじゃない。



「お前は何が言いたいんだ？」



分からない事が有り過ぎ、怒りを通り越して頭を悩ましてしまう。



「俺の名前は相馬勝彦。お前は俺から大事なものを三つ奪った。あの頃の俺は、アンタに憧れながらも半端者だった。そんな時に花田の兄貴に拾って貰ったんだ…半端者の俺から見れば、花田の兄貴は優しくて格好良かった…。」



若い衆が組に入るまで優しく接するのはヤクザの常套手段…そんな事も分からない程馬鹿なのか此奴は？



「そしてあの事件が起こり、花田の兄貴は絶縁処分…お前に殺された。その後は執拗に［住谷組］の関係者を追いかけ、それぞれ何処か四肢の骨を砕いた。」



…其処までは薄々読めていた。この男は右手の肩が不自由で、それも俺が与えた傷だろうと言う事も。だが、まだ花田殺しを含めても二つ…あとの一つは一体…。