なんでも屋 神…第一幕
「お前の兄貴分は、生きている価値の無い屑野郎だったぞ。」



「うるせぇ!それでも俺にとっちゃ、格好良い兄貴だったんだよ!」



最早何を言っても無駄…しかしそれは俺も同じ事。



「さっさと最後の一つを言えよ。」



決してベレッタの照準は外さず、ポケットからタバコを取り出して火を付けた。



俺と相馬の個人的な私怨に、周りも張り詰めていた緊張の糸も緩み始めている。



財津と小龍達の動きを制している、兄ぃの子飼い達の緊張の糸が切れるのは一番不味い。



「この歳で右手が不自由になるのがどれだけ辛いか分かるか?それだけじゃなく、お前は俺から大切な人を二人奪ったんだ!」



…二人?花田と一緒に死んだ、三人の中の一人か?




「花田の兄貴にも憧れ、メインで幅を利かせていたアンタにも憧れた…そしてそんなアンタの姿を見つけては眺めていると、自分でも気付かぬ内…側に居たアンタの妹に惹かれていった…。」
< 278 / 309 >

この作品をシェア

pagetop