なんでも屋 神…第一幕
何処からか吹き抜けた隙間風が眼前を通り過ぎる。虚空を流浪する瞳の先を、再び相馬に戻した。
…生きる事はどれだけ困難な事なのか。俺も相馬も、真美を亡くした事に悲しみを抱いているのに、その怒りを向ける矛先が違うだけで絡み合う、茨を纏った運命という名の因縁…。
この因縁を終わらせる為になら、死んでも良いかもしれない。こんな命など、真美を失ってから惜しいと思った事は無い。
否、生を切望する訳では無い。だがまだ早い、それだけでは二人共報われない。何時の間に俺は救われる事を望んでいたのだろうか…。
真美を連れ去った死神に、束の間の生をと望む。その後は、俺の事など好きにすればいい。
「…兄ぃ、リボルバー有る?」
突然の問いに首を横に振る兄ぃ。先程の隙間風が一段と強く吹き付け、財津の後方に有る鉄の引き戸が、余る事無く開かれた。
…生きる事はどれだけ困難な事なのか。俺も相馬も、真美を亡くした事に悲しみを抱いているのに、その怒りを向ける矛先が違うだけで絡み合う、茨を纏った運命という名の因縁…。
この因縁を終わらせる為になら、死んでも良いかもしれない。こんな命など、真美を失ってから惜しいと思った事は無い。
否、生を切望する訳では無い。だがまだ早い、それだけでは二人共報われない。何時の間に俺は救われる事を望んでいたのだろうか…。
真美を連れ去った死神に、束の間の生をと望む。その後は、俺の事など好きにすればいい。
「…兄ぃ、リボルバー有る?」
突然の問いに首を横に振る兄ぃ。先程の隙間風が一段と強く吹き付け、財津の後方に有る鉄の引き戸が、余る事無く開かれた。