なんでも屋 神…第一幕

「ハンデの有るお前を撃っても面白く無い。ルールが簡単なロシアンだ。相馬、お前に受ける度胸が有るか？」



キングコブラの最大装填数は六発。リボルバーならではのダブルアクション。（親指でハンマーを起こして引き金を引く。）



「ハッハッハ！面白い小僧だ！」



「親父。ご苦労様です。」



高笑いが終わるのを見計らい、深々と頭を下げる兄ぃ。俺の想像通り、あれが神堂龍造か…。



「…やってやる。ちゃんと弾は入ってるんだろうな？」



蟀谷（こめかみ）に当てていた銃口を離し、厚いトタン屋根に向かって引き金を引く。



天を向いた銃口から乾いた撃発音。銃身の先から立ち上る硝煙…穴の開いた分厚いトタン屋根から、一粒の雨が俺の冷淡を装っている表情に落ちてくる。



右肩からリコイル（反動）の衝撃が右足の爪先まで響く。最早、銃のレベルは超えて、大砲でもぶっ放したような感覚。



「これが本番なら、俺が死んでた訳だ…残念だったな。」