なんでも屋 神…第一幕
これで4分の1…下がる確率に反比例し、上昇していく心臓の鼓動。



コンクリートの床を滑ってくるコルト。銃口から死神が顔を出し、右手に持っている禍々しい大鎌で手招きしているように見える…。



[神堂組]側に張り詰める冷えた空気。未だ小龍にグロッグの照準を定めているノリの顔にも、明らかな不安の色が見て取れる。



一発目で助かった安堵感と、順番が回ってきた焦燥感で不規則になる心拍。



頭の中からは、大量に流れ出すアドレナリンが全身を隈無く駆け巡る。



命懸けのロシアンに不可解な光明心が芽生える…俺は狂っているのかもしれない。



静かにコルトを拾い上げ、躊躇い無くハンマーを起こす。



相馬の表情に浮かぶ期待感が、俺の燃え盛る魂と冷え切った頭脳のバランスをとった。





ガキン!





[三谷組]の面々に広がる不安の色。[神堂組]に俺の疲労感が伝染していく…。
< 285 / 309 >

この作品をシェア

pagetop