なんでも屋 神…第一幕
低く短く相馬に告げたが、俺の言葉など耳を通り抜けたのか、首を横に巡らして呼吸を乱す。



「そこの[三谷組]の小僧…お前の負けだ。こっちの小僧の方が役者だ。」



仁王立ちしたまま腕を組み、親指で俺を指して威圧的な声を発したのは神堂。



…やはりバレていた。



「撃ちたいなら撃て…その度胸がお前に有るか?」



相馬は青白い顔色で、取り憑かれたように何かを呟いている。



次の瞬間には、コンクリートの床に糸の切れた操り人形のように崩れた。


魂が抜けたように虚空を眺める相馬…そんな相馬を、俺は口先だけとは思わない。普通の人間ならば、死ぬのも殺すのも躊躇うものだ…。
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