なんでも屋 神…第一幕
そこまで見届けた兄ぃは、神妙な面持ちで生を懇願する表情を浮かべている、相馬の元に歩き出した。



兄ぃは床に投げ出されたコルトをいとも容易く持ち上げ、その銃口を俺に向けてきた。



「この野郎…上手くやりやがったな。」



俺に向かって笑みを浮かべたままハンマーを起こし、躊躇い無く引き金を引いた。





ガキン!





俺と兄ぃと神堂以外は、その金属音に呆気に取られ、皆一様に埴輪のような顔でコルトを見つめている。



種明かしをしろと言わんばかりに、コルトを俺に放り投げてくる兄ぃ。



その意志とコルトを受け取った俺は、弾倉を横にずらして下を向けた。
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