なんでも屋 神…第一幕
一ノ瀬は亡霊のように肩を落とし、揺れるように歩きながら事務所を後にした。



「一葉、俺がお前にガッコに行けっていうのは、何も勉強だけをしろって言ってる訳じゃ無い。ああいう風にならないように、色んな事を経験して今しか出来ない思い出を作れって言ってるんだよ。」



いつもは元気な一葉も、リアルな夜逃げの説明を聞いて言葉が出ないようだった。



「…でも、あの人もガッコにちゃんと行ってたけどこうなったんでしょ?」


一葉もガッコでもっと楽しい事を見つければ、俺が今言った言葉の意味が分かると思うんだが、今はまだしょうがないか…。



それに、俺もガッコなんてまともに行かなかったしな。



俺は一葉の頭をクシャクシャっと撫でた。一葉は髪型が崩れるからこれが嫌いなのだ。



「ちょっと!あぁ〜髪ボサボサになったぁ…。」
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