なんでも屋 神…第一幕
「ほら、準備出来た事は出来たが、やはり親子は無理じゃった。」



「それは仕方無ぇーよ。幾らだった?」



朝から飲んでいるので、すっかり酔っぱらっている谷口の爺。



右手は人差し指と中指。左手は五本全部。



「女の方は孤児院を出てから働きづめの過労死じゃ。会社側がそれを隠す為、闇に売った訳じゃよ。子供の方は虐待されて死んだ。親二人は子供を何処かに埋めて、戸籍を売った金で海外に逃げた…足は付かんよ。」



俺はその説明に納得して、二百五十万を爺に渡した。



「神よ、虐待されて死んだ子の代わりに…その子を助けてやれ。儂だって医師免許も戸籍も売ったが、人間としての気持ちまで売った覚えは無い。」




爺の柄にもない発言に少し驚きつつ、頷いて診察室を出た。



最近は働きすぎだな…。


だが、次は兄ぃの所だ。
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