なんでも屋 神…第一幕
イトさんは中々頷かなかったが、カレーの作り置きも有るので、食事は気にする事は無いからと言って、強引に頷いてもらった。



…俺のお袋がイトさんだったら良かったのに。



イトさんが実は旅行好きだと言うのも知っているので、俺の所為で旅行に行けなかったイトさんを見るのが辛かった。



たまにはイトさんに羽を伸ばしてもらいたい…お袋は羽を縮めるか、たまには動かしてもらいたいもんだけど。



カレーを食べ終えてキッチンに行くと、疲れがどっと出てくるような残骸の山…。



一葉もなんとか片づけようとしているが、成果は一向に現れない。



小さい時から共働きの両親だった為、一葉は母親に料理を教えてもらった事が無い。父親は一切家庭の事はしない人だったらしく、母親も忙しくて教える暇も無かったんだろう。




俺は父親が誰なのかも知らないから、今更気にもならないが。
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