なんでも屋 神…第一幕
「…行ったよな?」



「多分…さっき通ってったやつだろ?」



…そう言葉を交わしたあと、二人共同時に溜め息を漏らしたのが可笑しくて、顔を見合わせて笑ってしまった。



俺達は右折したあとで、少し行った所にある小さな中古車店に入り、野晒しで展示されている中古車の中にアコードを紛れさせた。



木を隠すなら森の中…車を隠すなら車の中という訳で、なんとかグロリアを捲く事に成功したのを確認して、シートの足下で縮めていた身体を起こす。



これ見よがしに中古車を展示している、大きい店なら奴等も少しは気にしたろうが、このくらいの小さな店なら追いかける方を優先させるだろう。



仮に、一人や二人ここで降ろしていっても、先程のように片づければ済む話しだ。
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