なんでも屋 神…第一幕
ゆっくりと車を動かし、周りに奴等が居ないのを見極めてから、車を道路に戻した。



そこから頭の中で描いてていた幾つかの迂回ルートを織り交ぜて、一路アパートを目指す。



本来なら法定速度を守って、警察に目を付けられぬように行くつもりだったのだが、このアコードのナンバーは[三谷組]がメモしているだろう。



[三谷組]の息が掛かった追っ手や、応援車両に見つからない内に処分していまいたい。



休憩もはさまずに只ひたすら車を走らせる。途中休んで目撃証言を取られたら、計画は全て水の泡になってしまう。



一ノ瀬から詳しい借入金の額は聞いてないが、[住田金融]と[長谷川ファイナンス]から一千万ずつは引っ張った筈、それが上に行く事で[三谷組]には二千万になる。



そこから闇金の利息を足すと、一ノ瀬の借金は天文学的な数字に跳ね上がる。



闇金の借金を踏み倒され、もしもそんな噂が広まれば、[三谷組]にとっても死活問題になるだろう。
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