time
pi pi pi pi・・・
結局、あまり眠れないまま朝になった。
大丈夫。
そう思うのだけれど美絵の心は変な感覚に襲われていた。
海斗が、手の届かないところに行ってしまいそうな。
洋服に着替えリビングへと向かった。
昨日、夕飯を食べずに寝たせいでお腹はペコペコ。
「具合はどう?学校行ける?」
そうだった。
お母さんには頭が痛いからと嘘をついていたんだ。
「ぅ、うん!!もう超元気だし!!」
変に意識して声が裏返ってしまった。。。
お母さんは昨日のコトなど知るはずもないのだけれど、なんでもバレてしまいそうで怖い。
必死に隠しながら朝食をすませ、家をでる。
その間もずっと、考えていた。
考えれば考えるほど、不安が大きくなってくる。
「美絵ちゃん!!おはよー」
声をかけてくれたのは、あいちゃんだった。
きっとあの後、勇輝くんと何かいい事があったに違いない。
スキップしながらやって来たから。
誰が見ても分かるくらい、幸せそうだ。
「おはようー!!嬉しそうだねェェェ~」
だいたい予想はつくけれど、わざと聞く。
「あのねぇ、昨日ね勇輝くんとお話しながら帰ったんだぁ!!すっごい楽しかったんだよ~。」
よかった、こんなにも喜んでくれて。
頑張ったかいがあるよ。
あいちゃんの話を聞いて笑顔で頷いた。
「美絵ちゃん、ホンッとありがとね。そういえば、海斗くんとはどうなったの??」