チャットは運命 【実話】
「なんでそんなに嬉しそうなの?」
西崎秀の笑顔につられ私も笑顔になる。
「いや、別に♪
まぁ閉会式とかだるいしな!
ほら行くぞ」
さっさと部屋を出た西崎秀の後を
急いで追いかけた。
「・・・ビデオ撮る場所って
ここですか?」
「そうらしいな!」
勘弁してよ。
そこは、観客席で、下・・・もはや
目の前には全校生徒が炎天下に
さらされていた。
私達の場所はというと、完全に日陰。
離れてはいるけど向かい合う形と
なった放送委員と全校生徒。
先生達は全校生徒の方向を向いている
ためきっと私達が何をしても怒られる
ことはないだろう。
「これは・・・後で絶対みんなから
反感かっちゃうな」
先生は誰一人として見ていない。
生徒(女子)は誰一人として見ていない
人はいない。
この西崎秀と二人っきりだから
ひがまれて当然か・・・。
「あちぃな~。てか校長だいぶ
ハゲてね?上からだとすげーな!」
こいつ・・・なんにも気にしてない。
本人だもんね。
「ちょっとあんまり大きい声で言うと
聞こえちゃうんじゃないの?」
ジロっと西崎秀を睨む。
「大丈夫だろ」
「大丈夫じゃないよ!
ハゲにハゲって言ったら余計に
ハゲちゃう!」
ふざけたら「バカ」って頭をたたかれた。
「うわっ!」
「なに!?」
突然大きい声を出すからこっちまで
声が大きくなる。