チャットは運命 【実話】
その日は1日中西崎秀のことを
考えていたと思う。
じゃんけんに負けて放送委員になった
こと、神様にとても感謝した。
次の日学校に行くと、
普段あいさつをする子に無視された。
はて?という感じだったのだが
私は気づいた。
あぁ、実梨ちゃんか、と。
好きな人がたまたま同じで
ただ少しだけ私の方が有利な立場に
いるだけで私の友達関係をめちゃくちゃ
にしようとしてるんだ。
小さいな、と私は心の中で
笑うことにした。
しかし、その私の態度に腹を立てたのか
そのいやがらせはどんどん
エスカレートしていった。
「鈴音、大丈夫かぁ?
なんなら私が言ってきてあげるよ?」
沙綾が心配して私の顔を覗きこんだ。
「全然大丈夫。ここで私がなにか
したら実梨ちゃんの思う壺だと思うし
自然に収まるのを待つよ」
なんて言ったけど精神的にも少し
きつかった。もちろんストレスの話。
悲しいなんて気持ちこれっぽっちもない。
本当にそう?
いくらあいさつだけの仲だったって
嫌われてしまうのはやはり寂しい。
私はただの強がりなのかもしれない。
「鈴音」
沙綾ではない別の誰かに呼ばれた。
振り返るとそこには1年の時
同じクラスだった大澤日向
(おおさわひな)ちゃんがいた。