-roop-
「……当たり前だろ…?俺の傍にこうしているお前が…紛れも無く『千夏』だってこと…それだけで十分だよ…」
ズキン…
『千夏』であるということ…。
彼の愛が向けられる一番大切な条件を…私は満たしていなかった。
誠さんはそっと私の頬に触れ、涙をぬぐった。
「何も覚えてなくても…煙草が吸えなくても……お前は…俺の愛した『千夏』だろ…?」
なんて悲しそうに微笑む人なんだろう。
なんて…切ない瞳をする人なんだろう。
誠さんの指が…狂おしそうに私の髪に触れる…
「この髪も…俺の大好きな千夏の髪だ…」