-roop-
ごめんなさい
ごめんなさい…。
違うの…違うんだよ…?
貴方が愛おしそうに見つめるこの瞳や…貴方が大切に大切に触れるこの髪は間違いなく千夏さんのもの。
だけど…
貴方の視線を
貴方の手の温もりを
貴方の声を
貴方の存在を感じているのは千夏さんではなく
…私なんです……。
貴方が千夏さんを愛すれば愛するほど
全てを失っているにも関わらず変わらぬ愛情を注げば注ぐほど
私の中にある罪悪感は膨らんで爆発しそうになっていく。
貴方が優しくすればするほど…貴方を騙しているのが辛くなる…。
貴方に惹かれれば惹かれるほど…
辛くて辛くて仕方がなくなる……。
『千夏であってくれさえばいい』
その僅かな願いすら叶えられてはいないのに、優しく笑いかけてくれる貴方の顔が…
辛くて辛くてたまらないんです…。