君の声が聞こえる
おばさん、というのが気に引けるほど、雅巳の母親は若くて綺麗なのだが、他の呼び方を知らないので仕方ない。それに雅巳と仲良くなってからずっと雅巳の母親の事を私はそう呼んでいる。
雅巳の母親もそれで気を悪くすることはない。娘の友達に『おばさん』と呼ばれるのはごく普通の感覚なのだろう。
「休みじゃないわよ。今日は午後から出勤なの」
雅巳お母親は近所の建築関連会社の事務を請け負っている。
商業系の高校を出ているらしいから、それが役に立っているのだろう。
「でも、午後からの出勤で丁度良かったわ。良枝ちゃんに聞きたい事があったから」
「私に?」
何だろう?雅巳の母親が何を聞きたいのか想像もつかない。
でも、もしかしたら……。
「ねえ、塩谷さんのお葬式の時に雅巳と一緒にいた男の子の事なんだけれど……」
やっぱり。
「加藤君の事ですか?」
私の言葉に雅巳の母親は静かに頷いた。
「そう。あの子と雅巳、付き合っているのよねえ?」
「は、はい。そうですね」
「いつから?」
「え……っと。去年の秋ぐらいからかな」
雅巳の母親もそれで気を悪くすることはない。娘の友達に『おばさん』と呼ばれるのはごく普通の感覚なのだろう。
「休みじゃないわよ。今日は午後から出勤なの」
雅巳お母親は近所の建築関連会社の事務を請け負っている。
商業系の高校を出ているらしいから、それが役に立っているのだろう。
「でも、午後からの出勤で丁度良かったわ。良枝ちゃんに聞きたい事があったから」
「私に?」
何だろう?雅巳の母親が何を聞きたいのか想像もつかない。
でも、もしかしたら……。
「ねえ、塩谷さんのお葬式の時に雅巳と一緒にいた男の子の事なんだけれど……」
やっぱり。
「加藤君の事ですか?」
私の言葉に雅巳の母親は静かに頷いた。
「そう。あの子と雅巳、付き合っているのよねえ?」
「は、はい。そうですね」
「いつから?」
「え……っと。去年の秋ぐらいからかな」