禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「宮埜の家に送ってどうするの?」
「どうもこうも。あなたに最高の幸せを用意したんじゃない。」
「最高の幸せ?」
「地位も名誉も。お金だって苦労しないし。見た目だって悪くない。そんな相手と結婚できるんだから、最高の幸せでしょ?」
ニッコリと笑った。
その顔が…
その言葉が…
あたしの理性を揺るがす。
「そんなの幸せじゃない!!お金があったって、地位や名誉があったって、好きな人と一緒じゃなきゃ意味ない!!」
力いっぱい叫んだ。
「そう思うのは、世間を知らないからよ。」
冷たく。
冷静に言い放った。
「そんなことない!!大体、アンタが…アンタがこなければ。」
何もかも壊れることはなかったのに。
グッと唇をかみ締めた。