禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「何言ってるのかしら?アタシがこなければ、どうなっていたと思う?」


冷酷なまでにあたしを睨んだ。


「どうなっていたって…。」

「神楽ともあろう家の主(あるじ)が、自分の子供と破廉恥三昧。許されるはずがないでしょ?」


「どうして…知ってるの?」


あたしと神楽の関係。


小さく体が震えてる。


「知らないと思ったでしょ?この家にいたら、耳に入ってくるのよ。お手伝いさん達のお喋りが。」

「それだって、アンタが出てこなければ…。」


「出てこなければ何?いずれ世間にバレることでしょ?」

「そんなの分かんないでしょ!?」


「婚約だけで、世間ではニュースになってるのよ?あなたの出生を調べられたら?」

「アンタだって一緒でしょ?」


人殺しで刑務所に入ってたんだから。


「残念。神楽の家が体裁守るために、そんな過去消してくれたわ。」


そこまでして…


あたしとの関係より、世間体を取ったの?

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