君を愛す ただ君を……
壁にあるスイッチを押して、部屋が明るくなるのを待ってから、中に入る

寝室には大きなクリスマスツリーがあり、ラックの上には大ちゃんと軽部先生のツーショット写真がたくさん並んでいた

あたしは膝をつくと、頭を床にくっつけてベッドの下に視線をやる

「ちょ…涼宮さん?」

軽部先生が驚いてスリッパを鳴らして近づいてくるのがわかった

「夢で、大ちゃんにお願いされたんです。ベッドの下にあるモノを軽部先生に渡して欲しいって」

「え?」

「俺はただの夢だって言ったんだけど…陽菜が信じなくて」

愁一郎が呆れたように、軽部先生に言う

「あった! あったよ。ほんとうにあったっ」

あたしは手を入れて、青い包装紙に包まれている箱を引き寄せた

「やっぱ、あの声は大ちゃんだったんだよ」

あたしは箱を手に持って立ち上がると、ツリーの前で軽部先生に差し出した

「これ、大ちゃんのからクリスマスプレゼントです」

「あ…ありがと」

軽部先生は少しだけ微笑むと、箱を受け取った

「開けて…みるわね」

軽部先生はベッドに腰をかけると、青い包装紙を丁寧にはがした

「いつもならこういう包装紙は、気にせずビリビリに破いて開けるんだけど…なんか勿体なくて」

軽部先生が、目に涙を浮かべながらゆっくりと中身を取り出した

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