DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
思い巡らしているうちに、一際豪奢な装飾をほどこされた大きな扉の前までたどり着いていた。
ノックをして声をかける。
「王妃様、カイゼル将軍をお連れしました」
「ありがとう、ラファエル。お通しして」
部屋の中から、やわらかな音色のような声が応えた。
ゆっくりと扉を開ける。
品のある刺繍の施された青い絨毯を敷き詰められた部屋の奥には、天井からカーテン状に布に覆われたベッド。
中で眠るリチャード王の姿は隠されている。
耳を澄ませば、守護天使の特殊な耳を持つラファエルには、規則正しい小さな静かな寝息が聞きとれた。
「お疲れ様。今日はもう来客の予定はないから、貴方も少しお休みなさい」
ベッドの前に置かれた椅子に座る、濃紺のドレスを身にまとう女性が言う声に、ラファエルは伏せていた顔を上げる。
床まで届くほどの、絹のような艶をもつ黒髪を垂らした、白い肌に桜色の唇と黒い瞳が映える美しい女性。