DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「面白いものね……人間というのは」
聞き取れないほどの声で小さくつぶやく。
「は、何か……?」
カイゼルが聞きなおそうと問い掛けたが
「いえ、なんでもないわ。カラヤはリディルから近いわね……ミカエルをだしなさい」
「ミカエルをですか?」
てこずってるとはいえ、守護天使を派遣せずとも、軍から一部隊でもだして威嚇すればおさまるであろうと考えていたカイゼルには意外な言葉をディーバは告げた。
「そう、ちょっとした保険よ。アレがディラハン軍を撤退させたのがここへ戻るためならばウリエルひとりで出迎えも充分でしょうけど」
ディーバの言葉にカイゼルは、リディルでの異変を思い出し、ハッとしたように目を見開く。
「なるほど……」
「そう。もしも違うならばウリエルでは役不足……ありえないことではないでしょう? だってアレは……」
ディーヴァの言わんとすることを飲み込み、カイゼルは深く頷きながらその言葉に耳を傾ける。
澄んだ音色で、楽しげに。
ディーヴァは歌うように言った。
「天使は天使でも堕天使ですものね」