DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
その背に流れる黒髪をみているうちに、そういえば、とミカエルはあることを思い出し
「ねえ、そういえばジュード。吸血鬼にも……というか、ジュードにも兄弟とかいる?」
キッチンから戻ったジュードがテーブルの椅子に腰掛けるのを待ってそれを口にした。
「兄弟?」
怪訝そうに眉をひそめるジュードに、ミカエルは
「……やっぱり違うか」
と意味不明な呟きと共に頷く。
「俺以外の吸血鬼にこの大陸で会ったことはない。嘆きの七日間以前なら近いものもいたんだろうが……覚えていなくてな」
「そうよねえ……私も貴方以外に吸血鬼なんて知らないし」
「何故そんなことを聞く?」
一人納得したようにぶつぶつと呟くミカエルにジュードが尋ねる。
「そのお酒を買いに行った時にね、なんだか似てる人がいたの。黒髪で青い目で……エルカイザでは珍しいから」
ミカエルの話を聞くうちに、ジュードは先日ガーフィールドの店で会った少女を思い出した。